「いま 東海村議会が 危い!」
  東海村議会原子力問題調査
  特別委員会 傍聴者有志の訴え


 東海村議会・原子力問題調査特別委員会(以下、原特委と略)の審議を傍聴した有志が、傍聴の感想と審議の進め方についての疑問・意見を世論に広く訴え、住民の立場に立った民主的な議会運営を求めています。
 村内外から声をお寄せください。東海議会事務局にメール
   電話:029-287-0844(直通)  ファックス:029-287-2305(直通)
 このページの下のほうに、我孫子市民が送った手紙を紹介しています。

【記者会見メモ】(2022年1月27日、記者会見の際の説明資料)
1 記者会見の目的  
 (1)東海村議会・原子力問題調査特別委員会(以下、原特委と略)の審議を傍聴した感想及び審議の進め方についての疑問・意見をお伝えし、住民の立場に立って民主的な議会運営を求めたいこと。
 (2)審議内容は、東海第二原発の再稼働に伴う広域避難計画の策定に関する請願についてであり、ことは30km圏内94万人のいのちと暮らしに関わることであるので、東海村民のみならず近隣住民にも東海村議会の現状を知っていただき、関心を持って見守っていただきたいこと。
2 経過
 ・2021年4月30日 東海村商工会が村議会に2つの請願提出(広域避難計画策定請願再稼働要求請願
 ・2021年5月25日 311を忘れない東海村アクションが「避難計画は慎重に」の請願提出
 ・2021年6月1日  村議会は、上記3件の請願審査を原特委に付託
  以後の経過は、1月23日に、慎重審議を求める村議が住民向けに開催した議会報告会の資料のとおり。
3 12月17日の原特委の審査
  原特委は、「広域避難計画策定に関する請願」を優先して審査してきたが、12月17日、唐突に、最大会派「新政とうかい」の議員9名が、②の請願について「請願の中身は検討不要、調査も不要、避難計画の中身は取り合わない、次回に採決を」と要求し、委員長は、「審査を打ち切り、次回に『論点整理・採決』を行うこと」に賛成の委員の挙手を求め、新政とうかい会派の議員9名の賛成(反対7名)で、決定してしまいました。
4 問題点 
 (1)請願趣旨は、「村内商工業者が、自立し、安心して健全な経営を維持継続させるために、東海第二発電所の再稼働に伴う広域避難計画の策定についての議論を進めていただくようお願い申しあげます」として国や県に「再稼働に伴う広域避難計画の策定についての議論を進めること」を求めており、再稼働と直結した請願が採択されれば、それが議会の意思ととられることが危惧される。
 (2) 原特委自身が決めた「専門家の意見を聞く」ことをしないで審議を打ち切るのは議会の民主的運営を損なうものである。
 (3) これまで行った「調査」は、「話を聞く」だけのものであり、その内容について委員会での議論が全くなされないまま採決する異常な議会運営は、議会の自殺行為にも等しい。
 (4) 賛否が拮抗する中、少数意見を尊重せず、最大会派のみの多数決で決しようとする委員長の強引な議会運営である。
 (5) 何よりも、住民のいのちと安全なくらしを守るという視点がみられないこと。
5 その後の経過
 (1) 議会傍聴者有志として、「いま東海村議会が危い」というチラシを作成し、存内に全戸配布した。
 (2) 1月19日、委員長あて質問書を議会事務局を通して提出した。
 (3) 1月26日までの回答を求めたが、何ら回答がなかった。
6 委員会運営についての要望
 (1) 請願内容について調査を継続し、議論を尽くして、拙速に結論を出さない事。
 (2) 議会制民主主義のルールを守り、委員長には公正・公平な委員会運営を求める。
 (3) 一部の利益優先ではなく、住民のいのちと安全なくらしを守る議員としての役割を果たしていただきたい。

 傍聴者有志は、1月31日、原特委委員長にたいし、「要望書」を提出しました。
 我孫子市民の皆さんが、東海村議会事務局宛てに電子メールで送信した手紙を紹介します。
   2022年 1 月 30 日

東海村村議会議員の皆様
  お 願 い
 初めてのお便りで失礼をいたします。 皆様には、日頃より東海村住民のために日夜ご尽力されている ことに敬意を表します。
 私たちは千葉県の我孫子市民です。 この度、新聞記事や「東海村議会 だ より」(第47号)等を拝見し、 2つの避難計画の請願について審議する原子力問題調査特別委員会が紛糾しているということを知りました。
 東海村議会の皆様が、東海第二原発と避難計画についてどのような判断をされるのかは、県外に住んでいる私たちの生活にも大きく 影響してきます 。

 2011年の福島第一原子力発電所事故では、200 ㎞ 離れていましたが我孫子市もホットスポットとなり 、10 年以上たった今もセシウム137が周辺の森やシンボルである手賀沼を汚染しています。 東海村と我孫子市の距離は 85 ㎞です。
 東海第二原発の事故が起きた場合、 我孫子市を含めた千葉県内の各地は茨城県からの避難者を受け入れる協定を結んでいます。 皆様のご判断が 東海村の方々だけではなく、 千葉県など関東地方の人々にも大きく 関係していることは十分ご理解をいただけることと思います。

 本当に東海村で原発事故が起きた場合、 避難者を受け入れる側の私たちも避難をしたい思いです。 しかし、 逃げる所がどこにもありません。福島第 一原発事故で指示通り避難された方々は避難中に被曝をされました。運悪く最も汚染された方向へ逃げた方もいらっしゃいました。
 避難先でも大変なご苦労をされました。自主避難された方々はその後、生活費が無くなりました。戻りたくても戻れない、命を絶たれた方もいらっしゃいました。逐一述べるまでもありません。
 車での避難はあっという間に渋滞になり、動かなくなることは目に見えています。段階的に避難を行ったとしても待機中に被ばくは免れられません。

 地震、気候変動、火山の噴火、プレートの滑り込みなど、日本列島は自然災害のオンパレードです。そんな中で古くて危険な東海第二原発の再稼働に加担することの無いよう強くお願いをいたします。
 東海村民の命と暮らしの安全を真剣に考えていただくのはもちろんですが、関東地方や東北地方を含めた周辺の住民のこともぜひ念頭に入れて下さい。

 2021年3月18日、水戸地裁は「日本原電は東海第二発電所の原子炉を運転してはならない」と命じました。その中で「放射性物質の生命、身体に対する深刻な影響に照らせば、何らかの避難計画が策定されていればよいなどといえるはずもない」と述べています。

 私たちは、東海第二原発を再稼働させず、廃炉にすることが、最良の安全を確保することになると思っています。ご理解下さるよう切にお願いいたします。
 「さようなら原発」あびこ  一同