東海第二原発の再稼働審査を問う!原子力規制委員会院内ヒアリング集会
                ~首都圏に最も近い老朽・被災原発を動かすな~

                 2018年2月22日/再稼働阻止全国ネットワーク主催

(【再稼働阻止全国ネットワーク 速報】より)
 たんぽぽ舎の山崎久隆さんと東海第二原発の現地から3人の方とともに約1時間の事前学習会をしたのちに、規制庁の担当11人を迎えて質問の回答を得るとともに総勢40人で東海第二原発の審査について尋ね再稼働することの危険性を伝え、審査を不合格とするように強く訴えた。なお、事前学習会にもヒアリングにも衆議院北関東ブロック大河原まさこ議員にご参加いただいた。
 詳細はこちらの動画をご覧いただきたい。
  UPLAN:東海第二原発の再稼働審査を問う!

出席依頼:原子力規制庁基盤グループ、審査グループ、検査グループから計11名
質問項目:①東海第二原子力発電所の原子炉設置許可について
       ②経理的基礎の欠如した日本原子力発電
       ③東海第二の津波対策
       ④東海第二原発の老朽化対策
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
質問者:山崎久隆(たんぽぽ舎)、(茨城から)相沢一正、大石光伸、川澄敏雄、計40名
新規制基準は既存原発を動かすための穴だらけ「珍既成基準」・・・東海第二原発・院内ヒアリング集会と定例記者会見で再確認( 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その160 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)) たんぽぽ舎メルマガ【TMM:No3307】
「東海第二原発の再稼働審査を問う!」・・・ヒアリングで審査の問題点が浮き彫りに/規制委員会。情報を収集し、原電の言い分を厳しく審査する姿勢の欠如(川澄敏雄(東海第二原発運転差止訴訟原告)) たんぽぽ舎メルマガ【TMM:No3305】

以下はヒアリングの概要。
①東海第二原子力発電所の原子炉設置許可について
 30km圏内に96万人が住み東海原発と東海再処理工場が近接する東海第二の立地の問題を問うたところ、新規制基準では「立地審査基準は取り入れていない」と回答し、新規制基準とそれによる審査の問題点を再確認させた。いっぽう、本年11月27日までに認可できない場合には廃炉になることを認めた。
 さらに、原子力災害対策が全く不十分で避難ができないと地元から指摘したが、国の担当は内閣府の原子力防災会議であると回答。原子力防災会議で規制委が参加して災害対策を認めているとの回答に対して、地元は納得できず、原子力防災会議で規制委がどの様な発言をしているのか後日回答いただくこととした。
 また、災害時のアクセスルートの検討で、東海原発からの放射能汚染を考慮しているにも拘らず東海再処理工場からの放射能汚染を考慮していないことも判明。これについても後日回答いただくこととなった。
②経理的基礎の欠如した日本原電
 日本原電の経理的問題を指摘したが、設置変更許可の認可前で他からの借り入れを含めて結論が出ていないと回答。こちらからは、東電から融資の矛盾、電気事業法の観点からの問題などを指摘。日本原電の経理的基礎が無いと報道されていることについて、規制委がどこまで確認しているかについて後日回答いただくことを依頼した。さらに、地元から安全対策費が不足であることを厳しく問うた。
③東海第二の津波対策
 基準津波と津波対策及び基準地震動について回答を得た。防潮堤を超える津波や東海第二専用港の問題を指摘した。津波襲来時に侵入する海水の絶対量については担当者不在ゆえ後日回答いただくこととした。
④東海第二原発の老朽化対策
 難燃ケーブル問題の回答を得た。日本原電が「総延長1400km」としているケーブルについて、規制委は、「安全系(安全機能を有する機器に使用されているもの)のみが審査対象」と説明してきた。日本原電は、2月19日の住民説明会で「安全系は400km」と明かしたが、規制委は、この長さを認識していないことが明らかになった。地元から、アスベスト問題、ケーブル難燃化割合(52%)はケーブル全体から見れば15%、茨城県東海第二原発安全性ワーキングチーム会合で原電のケーブル機能喪失発言、日立電線研究者がケーブルの寿命は40年レベルとの指摘、などを指摘した。

 時間をオーバーしたので、最後に以上の議論を踏まえても「審査不合格」とするべきことを強く訴えて終了した。
 2016年12月に高浜1、2号機の運転延長の審査担当であった関西電力課長が自殺した(月200時間越え残業で労災認定)。あらゆる命を奪う(老朽)原発を稼働させるために人を死なせてはならない。